banner

甲南高等学校同窓会ホームページ開設記念特別対談企画

1 2 3 4 5

私共の商品の殆どが水からできていると言っても言いすぎではないくらい水というのは大事なんです。サントリーは水なしに生きていけない。そもそも生命は水から生まれてきたもの。人間の体の70%近くは水です。サントリーは水を使ったビジネスをさせてもらっている以上、「水と生きる」というのは当然の基本にある。社会と共生するということは、社会の中に会社があって、社会は自然の中にあって、そこに人間もいる。私共は自然の中に生きており、自然の水を使って商品をつくり、自然のお陰で企業活動をしていると考えています。

それで、「サントリー天然水の森」という森林の保全活動をやっています。全国の私共の工場が使っている水は、すべて山から来る。雨が山や森林に降って、それが地中に潜り込んで地下水になり、それを井戸で汲み上げています。使っている量に匹敵する森林をまず保全しようということで、全国で7600ヘクタールの森林の保全活動をやっています。その地域の山のお守りのような仕事です。植生を研究している大学の先生、環境の先生の意見を聞き、そして実際に山に入って木を切ったりする林業の人達も入れて、ネットワークを作っているんです。個々の地域だけでなく、年に1回、7600ヘクタールの「サントリー天然水の森」に携わる方々に全員集まっていただき、今後の方向性を考えていくというシンポジウムを開催しています。

—まさに未来を見すえたプロジェクトといえますね。

—それでは、現役の生徒の皆さんへお二人が伝えたいというメッセージをお願いします。

鳥居 学・・・実践しかないですよね。私が今まで歩んできた道というのは不可能なことばっかりやってきているわけです。そして、人脈、人を大事にすることによってはじめて自分の道が開かれていくのやなと思います。その後に、人の関係がどうやって続いていくかというと、己自身しかないですね。如何に自分が向上心をもって謙虚な気持でものごとに対応できるかと言うことに尽きると思うんですね。

鳥井 信吾・・・サントリーの創業者、鳥井信治郎は「やってみなはれ」と言ったが、大切なことは人から「やってみなはれ」と言われなくてもやるということですよ。根本は。言われないとやれないようでは話にならないということですね。

サントリーのビール造りについて言うと、ビールは職人芸なんです。単なる職人芸ではなくて、水・醸造学の知識体系を十分にやって経験を積んだ上での職人芸の世界ですね。本当の「ビール職人技術者」のうちの一人が甲南中学、高校、甲南大学理学部出身の角戸洋一さんです。「ザ・プレミアム・モルツ」というサントリービールの主力製品をつくった男です。これも、既存の価値観にとらわれない「やってみなはれ精神」「甲南の自由、リベラルな考え方」があってこそできることであり、甲南の建学の精神にもつながります。

1 2 3 4 5